すべての犬好きにとって避けられない瞬間
犬を愛する私たちにとって、いつか必ず訪れる別れの瞬間。
心の奥では分かっているつもりでも、いざその時が来ると、想像以上に深く心を揺さぶられるものです。
私にとって、その瞬間はノルウェーでの仕事中に訪れました。
「FeelGood Omega」の生産の最終調整 をしていたとき、突然一本の電話が入りました。
「スカイの容体が急激に悪化している」
それは、思いがけない事故のせいでした。
空港の荷物係が誤ってスーツケースをぶつけ、その衝撃でスカイの頭に大きなダメージを負ってしまったのです。
涙の帰路と最後の時間
その電話を受けた瞬間、すぐにバンクーバー行きの飛行機に飛び乗りました。
正直に言うと、機内ではずっと泣きっぱなしでした。
でも、家に着いてスカイの姿を見たとき、私は強くならなければいけない と思いました。
ソファの上で毛布に包まれながら、ゆっくりと頭を持ち上げて「おかえり」と言ってくれるスカイ。
その姿を見て、私は覚悟を決めました。
あの瞬間は、今でも鮮明に覚えています。
スカイの頭を膝の上に乗せ、静かに寄り添いながら、私がしなければならないことを理解していました。
胸が張り裂けそうで、心が千々に砕けるような気持ちでした。
でも、これこそが最も深い愛の形なのだ と、自分に言い聞かせました。止められない時間の中で
最初は**「あと1時間だけ」と自分に言い聞かせ、
次は「あと30分だけ」**と願いました。
でも、時間を止めることはできないとわかっていました。
私は薬を準備し、IVポートに針を挿し、
深く息を吸って覚悟を決め、目を閉じながら、
頬を伝う涙とともにプランジャーを押しました。
そして――
スカイは旅立っていきました。
スカイが残してくれたもの
スカイは、私の“禅”のような存在 であり、
最高の親友であり、人生の師 でした。
彼がいてくれたおかげで、私の人生は何倍も豊かになりました。
そして彼が旅立ったとき、
自分の一部が一緒に消えてしまったように感じました。
それから何ヶ月もの間、ふと車の後部座席を振り返るたびに、
そこにスカイの笑顔があるような気がして――
次の冒険を楽しみに待っている彼の姿を探してしまうのです。
深すぎる悲しみの中で
悲しみがあまりにも大きく、
スカイとよく行っていた場所へ行くことさえ辛くなりました。
私の世界は、突然まるで別のものになってしまったのです。
そして、心の中で何度も問いかけました。
「スカイと同じように、他の犬を愛することなんてできるのだろうか?」
シニア犬が旅立つ前に、新しい子犬を迎える人もいます。
一方で、何ヶ月、何年も待つ人もいます。
私たちは、スカイを失った悲しみと向き合う時間が必要だ と分かっていました。
心が整うまで、新しい出会いを迎える準備はできなかったのです。
新しい出会いを求めて
スカイを失って約1年後、私たちはレスキューのボーダーコリーの子犬を探し始めました。
ようやく見つけたと思ったとき、
レスキューの管理者から「本当にこの子にふさわしい飼い主なのか?」と疑問を投げかけられました。
その過程は、正直なところ気持ちが折れそうになるほど辛く、もどかしいものでした。
――そして、私はパックスに出会ったのです。
運命の出会い
パックスはプラハ郊外の農場で生まれ、そこで育ちました。
そして、彼の優しく思いやりのある”人間のお母さん”、ネラ に出会った瞬間、
「この子だ」と確信しました。
まるでスカイを失ったあと鍵をかけてしまった心 を、
パックスがその鍵でそっと開けてくれた ような感覚でした。
犬は、それぞれの理由があって私たちのもとにやってくるのだと思います。
スカイは真面目で規律正しく、まるで兵士のようにいつも私のそばにいてくれました。
それは、当時の私自身の姿そのものでした。
獣医師としての仕事に全力を注ぎ、常に前だけを見て走り続け、人生のバランスを取ることさえ知らなかったあの頃の私。
スカイは、そんな私のパートナーでした。
パックスとの新しい学び
パックスは…スカイとはまるで違う存在でした。
遊び好きで、陽気で、おちゃめで、そしてしっかり自分の意見を持っている犬。
私は彼のことを**「私の小さなボヘミアン」と呼んでいます。
ラテン語で「ボヘミア」はチェコ共和国を意味する**からです。
パックスと過ごす中で、私は人生のバランスの取り方を学びました。
もっと楽しむこと、ストレスを手放すこと、たくさん笑うこと、シンプルに生きること、そしてありのままの自分でいること。
犬たちは、それぞれに特別なものを私たちにもたらしてくれる存在です。
彼らは私たちに大切なことを教え、人生を形作り、そして、必要なときに心を癒してくれるのです。
犬と生きるということ
私たち犬を愛する者にとって、一番恐れている日(THE DAY)は、自分の死よりも怖いものかもしれません。
それでも、犬と生きる日々はあまりにも美しく、どれほど心が引き裂かれる別れを経験しても、私たちはまた、新たな愛を選ぶのです。
もしあなたが愛する犬を失ったことがあるのなら、その痛みがどれほど深いものか、私にもわかります。
でも同時に、私は信じています。
宇宙でも、神でも、あなたが信じるものが何であれ、犬を通して私たちに「愛すること」を教え、最高の自分へと導いてくれているのだ ということを。
この話をシェアしたのは、あなたが決して一人ではないと知ってほしかったから。
そして、あなたとあなたの大切な犬が、少しでも長く一緒に過ごせるよう、お手伝いできることに心から感謝しています。
どうか、あなたの愛犬を抱きしめてあげてください。
私の分も込めて。
カナダの獣医師 ピーター先生のブログより
私もペットロスのカウンセラーと働いてるので、クライエントさんの話を聞いてても本当に色々です。
今はきっとペットを失って悲しいかもしれません。
でも、いつか前を向いて歩いてみてください。
そのさきにまた新しい”愛”が見えてくるはず。
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